マニラ在住日本人から見て気になったフィリピンのニュースをピックアップ!
オーストラリア・メルボルンのデザインスタジオ「SUPERSCALE」が、台風30号で被害を受けたフィリピンへの復興支援として、ピンバッチの制作、販売を始めた。
販売するピンバッチは3Dプリンターで制作することができ、必要な3Dデータはウェブ上で誰でも自由にダウンロードすることができる。
ピンバッチを販売して得た収益をフィリピンの被災者に寄付するというシンプルな支援方法だが、3Dプリンターを利用することで世界中の多くの人が3Dプリンターさえあれば支援活動に参加できるようにした点がユニークである。
元の記事を読む→ 【2013年12月22日:トジョウエンジン】
こちらのピンバッチです。何しとるんじゃ、この3人?とお思いでしょう。僕もなんじゃ?と思いました。
元記事の方に写真付きで説明されていますが、タガログ語に「バヤニハン(bayanihan)」という単語があります。日本語では「助け合い」と訳されますが、そのルーツは村落内の相互扶助だそうです。
道路や橋を作るといった村落内住民の共同利益のための無償労働や、農作業での相互扶助、住宅の建設や冠婚葬祭に際しての労働の無償提供など、こういったものをすべてひっくるめて「バヤニハン」ってことです。
ピンバッチはバヤニハンの一つである家を移動する作業をデザインしたものです。フィリピンの伝統的住居って竹とかで作られてるので、人力で運べるんです。
バヤニハンをモチーフにしたピンバッチ。フィリピンの復興支援にピッタリですね。
この支援方法を考えたのはオーストラリアのメルボルンにあるデザインスタジオ「SUPERSCALE」です。
ピンバッチを作って売るってだけならありきたりなんですが、このスタジオが考えた方法が秀逸なのは、バッチの制作に3Dプリンターを使い、印刷に必要な3Dデータをウェブ上で無料で公開した点です。こっち→「フィリピン支援ピンバッチの3Dデータ」
この方法であれば、支援に共感した人が3Dプリンターを持っていれば、データをダウンロードするだけで自分も支援活動に参加することができるわけです。頭良いな~
一般ピーポーは3Dプリンターなんて持ってねーよ!ってツッコミはもちろんあると思います。しかし今回の試みはテストケースということでも良いのではないでしょうか?
3Dプリンターはそう遠くない将来に量産効果で販売価格が下がり、普及率がかなり上がってくるはずです。今回のピンバッチ支援が広く知られるようになり、後追いする人が増えてくれば、3Dプリンターが普及する頃には一般的な支援方法になっているかもしれません。
もちろん、支援が必要になるような災害が起こらないのが一番良いんですけどね。